文字列のある位置で改行するということは、その位置に改行文字列を挿入するということです。
改行文字列は、Environment.NewLineプロパティによって取得できます。NewLineプロパティは実行している環境(OS)に応じた改行文字列を返します。NewLineプロパティはWindowsでは「キャリッジリターン + ラインフィード」を返しますので、VB.NETでは「vbCrLf」(または、ControlChars.CrLf)、C#では「"\r\n"」と同じになります。
補足:VB.NETでは、Environment.NewLineプロパティの代わりに、ControlChars.NewLineフィールドを使うこともできます。
以下に「おはよう。(改行)こんにちは。(改行)さようなら。」という文字列を作成する方法を幾つか示します。
'おはよう。(改行)こんにちは。(改行)さようなら。 'という文字列を作成する Dim s As String 'Environment.NewLineを使う s = "おはよう。" & Environment.NewLine & "こんにちは。" & _ Environment.NewLine & "さようなら。" 'vbCrLfを使う s = "おはよう。" & vbCrLf & "こんにちは。" & vbCrLf & "さようなら。" 'キャリッジリターンのANSIコードは13、ラインフィードは10なので、 ' Chr関数を使って次のようにもできる s = "おはよう。" & Chr(13) & Chr(10) & "こんにちは。" & _ Chr(13) & Chr(10) & "さようなら。"
string s; //Environment.NewLineを使う s = "おはよう。" + Environment.NewLine + "こんにちは。" + Environment.NewLine + "さようなら。"; //"\r\n"を使う s = "おはよう。\r\nこんにちは。\r\nさようなら。"; //C#では次のような書き方もできる s = @"おはよう。 こんにちは。 さようなら。";
上の例の「s」の内容はすべて
おはよう。 こんにちは。 さようなら。
になります。
補足:コンソールへの出力や、Label、Buttonコントロールなどでは、ラインフィード(VB.NETでは vbLf または ControlChars.Lf 、C#では '\n' )のみでも改行できます。MessageBox.Showメソッドによるメッセージの表示や、ToolTipコントロールなどでは、ラインフィードのみ、さらにはキャリッジリターン(VB.NETでは vbCr または ControlChars.Cr 、C#では '\r' )のみでも改行できます。
補足:TextBoxコントロールでは「キャリッジリターン + ラインフィード」でしか改行できませんが、RichTextBoxコントロールでは、キャリッジリターンのみ、ラインフィードのみでも改行できます。ただしRichTextBoxのTextプロパティが返す文字列では、改行はラインフィードのみになります。
注意:この記事では、基本的な事柄の説明が省略されているかもしれません。初心者の方は、特に以下の点にご注意ください。