マイクロソフトのサイトにある「Microsoft .NET Framework SDK のリリース情報」の「必要なシステム」によると、.NET Framework SDKでサポートされているプラットフォームとして、
「Microsoft Windows Millennium Edition (Windows Me) および Windows 98」
もちゃんとあります。しかし但し書きとして、
「Windows Me および Windows 98 は、実行環境としてのみサポートされます。SDK はこれらのプラットフォームでは実行できませんが、.NET Framework を使用して、これらのプラットフォームで実行可能なアプリケーションをビルドできます。」
とあります。つまりこれはWindows98/Meでは.NET Framework SDKは使用できないが、こちらで紹介したような方法によりビルドは出来るということのようです。
よって、自分でこのようなアプリを作成すれば、Windows98/Meでも.NET開発が可能になりそうです。しかしこれはあまりに面倒です。すでにそのようなアプリを誰かが作っていてくれていれば良いのですが...。
実はこちらで紹介したオープンソースの.NET開発環境「SharpDevelop」がそれです。SharpDevelopはWindows98/Meをサポートしていませんが、動くがどうか確かめてみる価値はあります。
というわけで、早速Windows98(バージョン:4.10.1998)にインストールしてみることにします。.NET Framework SDKのインストールはできないので、.NET Framework 1.1のみをWindows Updateでインストールした後、SharpDevelop 0.95をインストールしました。また、SharpDevelop-jpの修正パッケージ(現在はダウンロード不可?)も入れました。
インストール、起動、プロジェクトのビルドとすべてが異常なくうまく行きました。特に問題はないようです。...と思ったところ、SharpDevelop終了時にエラー(System.PlatformNotSupportedException)が出ました。このエラーが出たからといって、特に不都合はないようなので、これはこれでいいかとも思いましたが、調べてみたところ、回避法がありました。SharpDevelopのフォーラム(リンク切れ)によると、次のような2つの解決法があるとのことです。
実際メニュー「表示」の「ファイル」によりファイルタブを非表示にすると、このエラーは出なくなりました。
さてこれでどうやらSharpDevelopはWindows98/Meでも使えそうだということが分かりましたが、SharpDevelopにはデバッガが付いていないという難点があります(SharpDevelop2からは付いています)。どうにかならないものでしょうか?
実は、.NET Framework SDKをWindows98/Meにインストールすることは出来ませんが、そこに含まれるツールの中には、Windows98/Meでも動くものもあるようです。試しにcsc.exeやvbc.exe、WinRes.exeなどをWindows98で動かしてみると、これらはちゃんと動きました。果たしてデバッガDbgCLR.exeは動くでしょうか?
残念ながら私はDbgCLR.exeをWindows98で起動されることは出来ませんでした。コマンドラインのデバッガcordbg.exeは動くのですが、ほとんど役に立たないでしょう。
デバッグが出来ないのはかなり厳しいですが、Windows98/Meユーザーが.NET開発をしたい時は、SharpDevelopを使わない手はないでしょう。
(この記事はメールマガジン「.NETプログラミング研究」の第15号で紹介したものを編集したものです。)
注意:この記事では、基本的な事柄の説明が省略されているかもしれません。初心者の方は、特に以下の点にご注意ください。