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破線を描く

注意:画像の表示方法が分からないという方は、まず「コントロールやフォームに画像を表示する」をご覧ください。

破線を描くには、線を描くときに使用するPenオブジェクトのDashStyleプロパティをDashStyle.Dashなどに変更します。線の描き方はここでは説明しませんので、「線を描く」や「曲線を描く」等をご覧ください。

DashStyleプロパティに指定できる値(DashStyle列挙体の値)とそれを指定した時に描画される線の形状を表にまとめると、以下のようになります。

DashStyle列挙体のメンバ名説明(MSDNより)画像
Solid実線を指定します。Solid
Dashダッシュで構成される直線を指定します。Dash
Dotドットで構成される直線を指定します。Dot
DashDotダッシュとドットの繰り返しパターンで構成される直線を指定します。DashDot
DashDotDotダッシュと 2 つのドットの繰り返しパターンで構成される直線を指定します。DashDotDot
Customユーザー定義のカスタム ダッシュ スタイルを指定します。

次の例では、DashStyleプロパティの値をいろいろ変えて直線を描画しています。

VB.NET
コードを隠すコードを選択
'Imports System.Drawing
'Imports System.Drawing.Drawing2D
'がソースファイルの一番上に書かれているものとする

'描画先とするImageオブジェクトを作成する
Dim canvas As New Bitmap(PictureBox1.Width, PictureBox1.Height)
'ImageオブジェクトのGraphicsオブジェクトを作成する
Dim g As Graphics = Graphics.FromImage(canvas)

'Penオブジェクトの作成(幅5の黒色)
Dim blackPen As New Pen(Color.Black, 5)

'ダッシュ
blackPen.DashStyle = DashStyle.Dash
'線を描画
g.DrawLine(blackPen, 10, 10, 200, 10)

'ダッシュとドット
blackPen.DashStyle = DashStyle.DashDot
'線を描画
g.DrawLine(blackPen, 10, 30, 200, 30)

'ダッシュと2つのドット
blackPen.DashStyle = DashStyle.DashDotDot
'線を描画
g.DrawLine(blackPen, 10, 50, 200, 50)

'ドット
blackPen.DashStyle = DashStyle.Dot
'線を描画
g.DrawLine(blackPen, 10, 70, 200, 70)

'実線
blackPen.DashStyle = DashStyle.Solid
'線を描画
g.DrawLine(blackPen, 10, 90, 200, 90)

'リソースを解放する
blackPen.Dispose()
g.Dispose()

'PictureBox1に表示する
PictureBox1.Image = canvas
C#
コードを隠すコードを選択
//using System.Drawing;
//using System.Drawing.Drawing2D;
//がソースファイルの一番上に書かれているものとする

//描画先とするImageオブジェクトを作成する
Bitmap canvas = new Bitmap(PictureBox1.Width, PictureBox1.Height);
//ImageオブジェクトのGraphicsオブジェクトを作成する
Graphics g = Graphics.FromImage(canvas);

//Penオブジェクトの作成(幅5の黒色)
Pen blackPen   = new Pen(Color.Black, 5);

//ダッシュ
blackPen.DashStyle = DashStyle.Dash;
//線を描画
g.DrawLine(blackPen, 10, 10, 200, 10);

//ダッシュとドット
blackPen.DashStyle = DashStyle.DashDot;
//線を描画
g.DrawLine(blackPen, 10, 30, 200, 30);

//ダッシュと2つのドット
blackPen.DashStyle = DashStyle.DashDotDot;
//線を描画
g.DrawLine(blackPen, 10, 50, 200, 50);

//ドット
blackPen.DashStyle = DashStyle.Dot;
//線を描画
g.DrawLine(blackPen, 10, 70, 200, 70);

//実線
blackPen.DashStyle = DashStyle.Solid;
//線を描画
g.DrawLine(blackPen, 10, 90, 200, 90);

//リソースを解放する
blackPen.Dispose();
g.Dispose();

//PictureBox1に表示する
PictureBox1.Image = canvas;

破線を描画する例

破線の終点の形を変更する

破線の終点の形はPen.DashCapプロパティで変更できます。Pen.DashCapプロパティに指定できる値(DashCap列挙体の値)とそれを指定した時に描画される線の形状を表にまとめると、以下のようになります。

DashCap列挙体のメンバ名説明(MSDNより)画像
Flat各ダッシュの両端を直角にする、四角形キャップを指定します。Flat
Round各ダッシュの両端を丸くする、円形キャップを指定します。Round
Triangle各ダッシュの両端を三角形にする、三角形キャップを指定します。Triangle
VB.NET
コードを隠すコードを選択
'Imports System.Drawing
'Imports System.Drawing.Drawing2D
'がソースファイルの一番上に書かれているものとする

'描画先とするImageオブジェクトを作成する
Dim canvas As New Bitmap(PictureBox1.Width, PictureBox1.Height)
'ImageオブジェクトのGraphicsオブジェクトを作成する
Dim g As Graphics = Graphics.FromImage(canvas)

'Penオブジェクトの作成(幅5の黒色)
Dim blackPen As New Pen(Color.Black, 5)

'ダッシュとドット
blackPen.DashStyle = DashStyle.DashDot
'線を描画
g.DrawLine(blackPen, 10, 10, 200, 10)

'キャップスタイルをRoundにする
blackPen.DashCap = DashCap.Round
'線を描画
g.DrawLine(blackPen, 10, 30, 200, 30)

'キャップスタイルをTriangleにする
blackPen.DashCap = DashCap.Triangle
'線を描画
g.DrawLine(blackPen, 10, 50, 200, 50)

'リソースを解放する
blackPen.Dispose()
g.Dispose()

'PictureBox1に表示する
PictureBox1.Image = canvas
C#
コードを隠すコードを選択
//using System.Drawing;
//using System.Drawing.Drawing2D;
//がソースファイルの一番上に書かれているものとする

//描画先とするImageオブジェクトを作成する
Bitmap canvas = new Bitmap(PictureBox1.Width, PictureBox1.Height);
//ImageオブジェクトのGraphicsオブジェクトを作成する
Graphics g = Graphics.FromImage(canvas);

//Penオブジェクトの作成(幅5の黒色)
Pen blackPen = new Pen(Color.Black, 5);

//ダッシュとドット
blackPen.DashStyle = DashStyle.DashDot;
//線を描画
g.DrawLine(blackPen, 10, 10, 200, 10);

//キャップスタイルをRoundにする
blackPen.DashCap = DashCap.Round;
//線を描画
g.DrawLine(blackPen, 10, 30, 200, 30);

//キャップスタイルをTriangleにする
blackPen.DashCap = DashCap.Triangle;
//線を描画
g.DrawLine(blackPen, 10, 50, 200, 50);

//リソースを解放する
blackPen.Dispose();
g.Dispose();

//PictureBox1に表示する
PictureBox1.Image = canvas;

破線の終点の形を変更した例

破線の長さと間隔を変更する

破線の長さと間隔を変更するには、Pen.DashPatternプロパティを使います。この時、Pen.DashStyleプロパティはCustomになります。

Pen.DashPatternプロパティには、数値の配列を指定します。配列のはじめの要素に破線の長さを、2番目の要素に間隔の長さを指定します。3番目以降の要素を指定すると、次の破線の長さと間隔になります。

指定する数値は、線の太さの何倍かを表した値です。例えば線の太さの2倍ならば「2」を、線の太さの半分ならば「0.5」を指定します。

以下に、Pen.DashPatternプロパティを設定して破線の長さと間隔を変更する例を示します。

VB.NET
コードを隠すコードを選択
'Imports System.Drawing
'Imports System.Drawing.Drawing2D
'がソースファイルの一番上に書かれているものとする

'描画先とするImageオブジェクトを作成する
Dim canvas As New Bitmap(PictureBox1.Width, PictureBox1.Height)
'ImageオブジェクトのGraphicsオブジェクトを作成する
Dim g As Graphics = Graphics.FromImage(canvas)

'Penオブジェクトの作成(幅5の黒色)
Dim blackPen As New Pen(Color.Black, 5)

'初めの破線の長さは線の太さと同じで、間隔を2倍に、
'次の破線の長さは線の太さの3倍で、間隔を4倍にする。
blackPen.DashPattern = New Single() {1.0F, 2.0F, 3.0F, 4.0F}
'線を描画
g.DrawLine(blackPen, 10, 10, 200, 10)

'リソースを解放する
blackPen.Dispose()
g.Dispose()

'PictureBox1に表示する
PictureBox1.Image = canvas
C#
コードを隠すコードを選択
//using System.Drawing;
//using System.Drawing.Drawing2D;
//がソースファイルの一番上に書かれているものとする

//描画先とするImageオブジェクトを作成する
Bitmap canvas = new Bitmap(PictureBox1.Width, PictureBox1.Height);
//ImageオブジェクトのGraphicsオブジェクトを作成する
Graphics g = Graphics.FromImage(canvas);

//Penオブジェクトの作成(幅5の黒色)
Pen blackPen = new Pen(Color.Black, 5);

//初めの破線の長さは線の太さと同じで、間隔を2倍に、
//次の破線の長さは線の太さの3倍で、間隔を4倍にする。
blackPen.DashPattern = new float[] { 1.0F, 2.0F, 3.0F, 4.0F };
//線を描画
g.DrawLine(blackPen, 10, 10, 200, 10);

//リソースを解放する
blackPen.Dispose();
g.Dispose();

//PictureBox1に表示する
PictureBox1.Image = canvas;

このコードを実行すると、以下のように描画されます。

Pen.DashPatternプロパティの例

また、Pen.DashOffsetプロパティにより、始点からダッシュパターンの始点までの距離を変更することができます。

以下に、Pen.DashOffsetプロパティを1つずつ増やしていったときに破線がどのように変化するかを確認する例を示します。

VB.NET
コードを隠すコードを選択
'Imports System.Drawing
'Imports System.Drawing.Drawing2D
'がソースファイルの一番上に書かれているものとする

'描画先とするImageオブジェクトを作成する
Dim canvas As New Bitmap(PictureBox1.Width, PictureBox1.Height)
'ImageオブジェクトのGraphicsオブジェクトを作成する
Dim g As Graphics = Graphics.FromImage(canvas)

'Penオブジェクトの作成(幅5の黒色)
Dim blackPen As New Pen(Color.Black, 5)

blackPen.DashStyle = DashStyle.DashDotDot

g.DrawLine(blackPen, 10, 10, 200, 10)

blackPen.DashOffset = 1.0F
g.DrawLine(blackPen, 10, 30, 200, 30)

blackPen.DashOffset = 2.0F
g.DrawLine(blackPen, 10, 50, 200, 50)

blackPen.DashOffset = 3.0F
g.DrawLine(blackPen, 10, 70, 200, 70)

'リソースを解放する
blackPen.Dispose()
g.Dispose()

'PictureBox1に表示する
PictureBox1.Image = canvas
C#
コードを隠すコードを選択
//using System.Drawing;
//using System.Drawing.Drawing2D;
//がソースファイルの一番上に書かれているものとする

//描画先とするImageオブジェクトを作成する
Bitmap canvas = new Bitmap(PictureBox1.Width, PictureBox1.Height);
//ImageオブジェクトのGraphicsオブジェクトを作成する
Graphics g = Graphics.FromImage(canvas);

//Penオブジェクトの作成(幅5の黒色)
Pen blackPen = new Pen(Color.Black, 5);

blackPen.DashStyle = DashStyle.DashDotDot;

g.DrawLine(blackPen, 10, 10, 200, 10);

blackPen.DashOffset = 1.0F;
g.DrawLine(blackPen, 10, 30, 200, 30);

blackPen.DashOffset = 2.0F;
g.DrawLine(blackPen, 10, 50, 200, 50);

blackPen.DashOffset = 3.0F;
g.DrawLine(blackPen, 10, 70, 200, 70);

//リソースを解放する
blackPen.Dispose();
g.Dispose();

//PictureBox1に表示する
PictureBox1.Image = canvas;

このようにPen.DashOffsetプロパティを1つずつ増やしていくと、破線は以下のように描画されます。

Pen.DashOffsetプロパティの例

  • 履歴:
  • 2011/5/6 破線の間隔を変更する方法を追加。表を追加。その他の説明を追加。
  • 2012/8/3 表示する方法を、PictureBox.Imageプロパティを使った方法に変更。

注意:この記事では、基本的な事柄の説明が省略されているかもしれません。初心者の方は、特に以下の点にご注意ください。

  • このサイトで紹介されているコードの多くは、例外処理が省略されています。例外処理については、こちらをご覧ください。
  • コードの先頭に記述されている「Imports ??? がソースファイルの一番上に書かれているものとする」(C#では、「using ???; がソースファイルの一番上に書かれているものとする」)の意味が分からないという方は、こちらをご覧ください。
  • .NET Tipsをご利用いただく際は、注意事項をお守りください。
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