OrcaはWindows Installerデータベースの編集を行うためのツールです。残念ながらOrcaは単体では配布されていませんので、入手は少し面倒です。以下にその方法を紹介します。
OrcaはWindows SDK(旧Platform SDK)に含まれていますので、Windows SDKをインストールすることにより、入手できます。
Windows SDK(または、Platform SDK)は、この記事を書いている時点では、以下のページからダウンロードできます。
「Windows 10 SDK」の場合は、必ず「MSI Tools」という項目を選択してインストールする必要があります。「Windows SDK for Windows 7 and .NET Framework 4」の場合は、「Windows Native Code Libraries > Tools」を選択してインストールする必要があります。
インストール後、Windows 10 SDKでは、「C:\Program Files\Windows Kits\10\bin\x86」のようなフォルダに「Orca-x86_en-us.msi」というファイルができます。それ未満のバージョンでは、「C:\Program Files\Microsoft SDKs\Windows\v7.0\Bin」や「C:\Program Files\Microsoft Platform SDK\Bin」というようなフォルダに「Orca.msi」というファイルができます。(見つからない場合は、コンピュータ全体を「Orca*.msi」というワイルドカードで探してみてください。)このファイルを使って、Orcaをインストールすることができます。
Windows 10 SDKをISOでダウンロードした場合は、インストールしなくても「Orca-x86_en-us.msi」を入手できます。ISOをマウントすれば(または、Explzhのようなアーカイバを使って展開すれば)、「Installers」というフォルダ内に「Orca-x86_en-us.msi」があります。
Windows SDK(Platform SDK)には非常に多くのファイルが含まれていますので、かなりサイズがあります。Orcaのみを入手するためにインストールするにしては、あまりにばかげています。
幸いにも、Windows Installer SDKはサイズが小さく、まだ配布されているものもあるようですので、バージョンにこだわらなければ、これをダウンロードしてインストールするのが手軽です。
上記「Windows Installer 4.5 Software Development Kit」は、インストールしなくても、適当なアーカイバで展開することで(「msi45sdk.msi」を展開後、「msi45sdk.cab」を展開)、「Orca.msi」を取り出すことができます。
Visual Studioをインストールしている場合は、すでに「Windows SDKから入手する方法」で紹介したフォルダに「Orca*.msi」が存在している可能性がありますので、探してみると見つかるかもしれません。
もし見つからなかった場合でも、「Windows SDK」がインストールされている可能性はあります。もしコントロールパネルの「プログラムと機能」(「プログラムのアンインストールまたは変更」)に「Windows Software Development Kit」があれば、インストールされています。「Windows SDK」がインストールされているのに「Orca*.msi」が存在しない場合は、インストール時に「Windows SDKから入手する方法」で紹介した項目を選択しなかった可能性が高いです。この場合は、「プログラムと機能」の「変更」によって、必要な項目を選択し、インストールします。
具体的には、例えば「Windows 10 SDK」の場合は、「プログラムと機能」で「Windows Software Development Kit」を選択し、「変更」ボタンをクリックします。するとダイアログが表示されますので、「Change」を選択して「Next」ボタンを押してから、「MSI Tools」を選択して「Change」ボタンを押します。これで「Orca-x86_en-us.msi」が作成されます。
結局のところ、Orcaの代わりになるソフトを使うのが手っ取り早いかもしれません。以下に、無料で使用できる、Orcaの代わりになるソフトを紹介します。
(この記事は、「.NETプログラミング研究」の第61号で紹介したものを基にしています。)