ドボンの遊び方
はじめに
- 「ドボン」というカードゲームには様々なルールが存在します。ここで説明するルールはJDA制定ルールです。
- 「ドボン」のルールには、誰でも簡単にプレーしてもらえるようにルールを簡単にした「簡易ルール」と、厳密に規定された「公式ルール」の2種類のルールがあります。以下の説明ではこの公式ルールに基付いた記述に(公)のマークをつけてあります。初心者の方はとりあえず公式ルールは無視していただいても十分に「ドボン」を楽しんでいただくことができます。
- 簡易ルールでは、公式ルールのみのルールについて、柔軟に解釈していただいて結構です。だたし、ゲームに参加するすべてのプレーヤーが同意することが条件です。また、「ドボン」は紳士のゲームですので、簡易ルールでは「譲り合いの気持ち」、「思いやりの気持ち」、「弱者に優しくする気持ち」を大切にしてプレーしてください。
用語の説明
ここで使用した言葉のうち、分かりにくいと思われるものを先に説明します。
- 場
- カードが出される場所。「場のカード」とは、場に出されたカードのうち一番上にあるカードのこと。
- 山
- カードを裏にして積んでおき、カードを引く時に取る所。ストック。
- (カードの)マーク
- カードに書かれたマーク(スペード、ハート、ダイア、クラブ)のこと。スート。
- 配り枚数
- ゲーム開始前に各プレーヤーに配るカードの枚数。必ず4~12枚の間の偶数となる。
- 周回
- 配り枚数が12枚の時に負けると、「1周」となり、その後12枚で敗れるたびに1周ずつ増えていく。このようにして何周したかを示す数字。
ドボンの特徴
- 「ドボン」はトランプのページワンに似たルールのカードゲームです。
- プレーヤーの人数に制限はありません。
- 使用するカードは一般的なトランプ(ジョーカーを抜いた52枚を一組とするもの)を使用します。(カードの枚数がプレーヤー数と比較して明らかに少ない場合は、トランプの組数を増やすことにより対処します。)
ゲームの目的
- 「ドボン」をしてあがることがゲームの目的です。「ドボン」は場に出されたカードの数字と手札の数字の合計が同じ時にできます。「ドボン」に関しては後述の「ドボンについて」でさらに詳しく説明します。
- 最終的な順位は「周回」と「配り枚数」により決定されます。周回が一番少なく、配り枚数も一番少ないプレーヤーが一位となります。
ゲームの流れ
- プレーヤーの座席位置と親を決めます。正式な決め方に関しては後述。
- よく切ったカードを配ります。配る枚数は始めは全員4枚ずつです(配る枚数は後で変化します)。残りのカードはすべて山とします。
- 山の一番上のカードを場に出します。
- ゲームは親から順番に時計回りに進めていきます。
- 順番が来た時に出すことのできるカードは、場のカードと、マークか数字が同じカードです。出せるカードが手札にない時は山からカードを1枚取り、手札に加えます。(出せるカードを持っていてもこれを出さずに山からカードを取ることもできます。)
- カードを出すかカードを引くかした後、ゲームは次のプレーヤーに進みます。
- 例外として場のカードと同じ数字のカードが手元にある場合は、順番に関係なくいつでもこれを場に出すことができます。
- 2の数字のカードが場に出された時は特別な意味を持ちます。この時次のプレーヤーは2の数字のカードしか出すことができません。2のカードを持っていない時は、山から2枚カードを取り、そのプレーヤーの順番となります(つまりこの後2枚とったプレーヤーはカードを出したり引いたりできます)。2のカードを持っていてこれを出した時は、次のプレーヤーは2^2(2の2乗)で4枚のカードを取らなければなりません。このように2を出さない時に取らなければいけないカードの枚数は、2^3=8、2^4=16・・・という具合に倍々で増えていきます。なお、ゲーム開始時に山から場に出したカードの数字が2だったときは、親が2を出すか、あるいはカードを2枚取るかします。
- 手札を0枚にすることはできません。上がるための唯一の手段は「ドボン」です。「ドボン」は場に出されたカードの数字と手札の数字の合計が同じ時にいつでもできます。ドボンするときは必ず「ドボン」とコールし、手札をすべて場に出す必要があります。このとき一番上のカードが明確になるように出します。
- 誰かがドボンをしてもゲームは終わりではありません。ドボンして出した一番上のカードに別の誰かがドボンできる場合も、さらにドボンすることが出来ます(これを「ドボン返し」と呼びます)。
- 最終的にドボンをしたプレーヤーが勝者、ドボンをされたプレーヤーが敗者となります。
- 勝者は次の試合から始めに配られるカードの枚数(配り枚数)が2枚減り、敗者は逆に2枚増えます。ただし配り枚数は4枚以下にはなりません。また12枚より多くもならず、配り枚数が12枚で敗者となった時は次の試合から配り枚数が4枚に戻ります。しかしこの時プレーヤーの「周回」が一つ増えます。また、今後いくら勝ったとしても、周回は減ることがありません。
- あらかじめ決められた時間が過ぎていなければ、2に戻って次のゲームを開始します。そうでなければ終了です。最終的な順位は、周回と配り枚数の少なさで決定されます。
親と座席位置の決め方
- (公)ゲームを始める前によく混ぜたカードをプレーヤーが1枚ずつ引き、一番強いカードを引いた人を親とします。カードの数字の強い順は、A、K、Q、J、10・・・2となります。同じ数字の時はスート(マーク)の強い順(スペード、ハート、ダイア、クラブ)で決定します。さらに、プレーヤーの座席位置は親から右回りに引いたカードの強い順に並ぶものとします。
- 次の試合からは前の試合の敗者が親となります。(公)敗者が複数いる時は、その時点で一番負けている(周回、配り枚数の多い)プレーヤーが親となります。これでも親が決まらない時は、裏返したカードを一枚引き、一番強いカードを引いた人を親とします。
- (公)誰かが一周した時、再びよく混ぜたカードを引き、座席位置を変更します。
ドボンについて
- 場のカードの数字と手持ちのカードすべての数字の合計数が同じ時にいつでもドボンすることが出来ます。
- ドボンするときは必ず「ドボン」とコールし、手札をすべて場に出す必要があります。このとき一番上のカードが明確になるように出します。
- 誰かがドボンして出した一番上のカードにドボンできる場合も、ドボンすることが出来ます(これを「ドボン返し」と呼びます)。
- 最後にドボンをしたプレーヤーが勝者となり、ドボンされたプレーヤーが敗者となります。
- 始めに場に出されたカードにドボンしたときは、ドボンをしたプレーヤーが勝者、それ以外のプレーヤー全員が敗者となります。
- 自分の出したカードにドボンしたときは、そのプレーヤーの負けとなります。
- (公)ドボン返しには有効時間があります。誰かがドボンをしてから3秒間以内のドボン返しは無条件で有効となります。また、これ以上の時間が経っていても他のプレー ヤーがだれ一人手札を放棄していなければその間のドボン返しは有効です。さらに、このドボン返し有効時間内に放棄した手札は無効となり、これを使ってドボン返しをすることはできません。
間違ったカードを出したとき/間違えてカードを引いたとき
- 間違えて場に出せないカードを出したときも、カードを再び手札に戻すだけで、それ以外の特別なペナルティはありません。
- 複数のカードを場に出して、その内上の何枚かのカードだけが出せないカードの時は、その出せないカードのみを手札に戻すだけで、それ以外の特別なペナルティはありません。
- 自分の順番でないプレーヤーが間違えてカードを引いたときや、間違えて多くカードを引いたときは、そのカードを手札としてゲームを進めなければいけません。
最終的な順位の決定法
- あらかじめ時間を決めておき、その時間が経過した後にゲームが終了した時点での周回および、配り枚数の少なさで順位を決定します。
- 時間は適当でかまいませんが、1~2時間程度が適当だと思います。
- 時間の代わりに、ゲーム数を決めてプレーしてもよいでしょう。
- (公)遅延行為防止のため、明らかな遅延行為を行ったプレーヤーは2枚カードを取ります。また、試合時間とともに、最低ゲーム数もあらかじめ決めておきます。
山のカードがなくなった時
- 場の一番上のカードを場に残して、残りのカードをよく切って、山とします。
- (公)「場のカードがある枚数以下のときは山にしない」「場のカードに含まれる2の割合が半分以上のときは山にしない」などのルールを決めてもよいでしょう。
- 山にするカードもない時は、その時点で一番多くのカードを持っているプレーヤーの負けとなり、ゲームが終了します。
その他の細かいルール
- (公)カードが全く同時に出された時は、その前の時点で順番が早く回ってくるプレーヤーのカードが先に出されるものとします。
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